今回は、だるま製造販売80年、「癖のない穏やかな顔」にこだわりをもつだるま職人、杉山幸夫さん(杉山だるま店)を紹介します。
 杉山さんは、15才の時からだるま職人として先代の父からだるまづくりを学び、だるまづくり一筋57年。未だ現役で腕を揮う、県内でも数少ないだるま職人のひとりです。
 だるま作りは、手間暇かかる作業を経て完成されますが、特に職人技術としての腕の見せ所は、胡粉(貝の粉)とニカワ(動物の皮や骨を煮込んで作る接着剤)の扱い。季節や天候・気温、あるいは質によって(最近は質が均一化してきたものの)調合を変えますが、これを誤るとひびが入ってしまいます。杉山さんの手に掛かれば、永年の経験、感覚からはじき出される調合で、完成しただるまを見れば一目瞭然。これぞ職人技と呼べる滑らかな表面に仕上がります。だるまの顔、表情は作り手によって様々ですが、杉山さんの作るだるまの特徴は、「癖のないおだやかな顔」と「七転び八起き、鶴亀で表現されたマユとヒゲ」。顔の表情、彩色ひとつとっても、独特の色づかいや細かな部分での筆の使い分けで、魂を入れただるまたちは、だれもが喜ぶ温かみのあるだるまに完成します。杉山さんは、不器用で苦労した面もあったが、ものづくりの世界一筋でがんばってきたことを誇りに思うと、職人としての57年を振り、今後は、なくしてはいけないだるま職人の育成にも力を注ぎたいと語ってくれました。

「ひとことお願いします」

だるまは神棚や事務所などに飾られものですから、常に穏やかな気持ちであるとともに、ありがたい気持ちを忘れずに作ることを心がけています。私の作るだるまのモットーは、癖のない穏やかな顔です。後継者問題で閉める店もありますが、おかげさまで我が社では後継者が育っています。だるま職人としての技術、心意気、杉山だるまの「穏やかな顔」をしっかりと継承していきたいと思います。もちろん、私自身もだるま職人として現役でバリバリがんばっていていくつもりです。職人であることが、若さを保つ秘訣ですから・・・。

「取材を終えて・・・。」

当社では、日本三大だるま祭りとして皆さんもご存知な「毘沙門天大祭」でも販売し、売れ筋として好評を博しています。ご紹介した通り、杉山さんのだるまの特徴は、癖がなく穏やかで大人しい顔。杉山さんの人柄もだるまに写し出されているのかもしれません。今度の毘沙門天大祭では、杉山さんの作る穏やかなダルマを買って1年の祈願をしてみませんか。

杉山だるま店
杉山幸夫さん(72)
富士市依田原町3−2
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